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世界最先端のエンジン
マルチエア エンジンとは?


MultiAir Engine
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10年の期間と約1億ドルもの開発費を掛け、FPT(フィアット パワートレイン テクノロジーズ)から登場した「マルチエア エンジン」。
何が凄いのだろう?と思われる方もいらっしゃると思いますが、日本を始め世界各国で研究されてはいたものの、まだどのメーカーでも成しえなかった夢のバルブシステムです。
バルブのリフト(開く量)をほぼ無段階で変えるエンジンは既に他のメーカーにて存在しますが、マルチエアエンジンはそれとは一線を画します。
Engine Of The Year 2010 MiTo搭載のマルチエア 1.4L ターボエンジンが世界32ヶ国の専門ジャーナリストが選考する「ベスト ニューエンジン オブ ザ イヤー賞(2010年度)」に選ばれました。


まずおさらいも兼ねて、従来のエンジンからご説明致します。
これは従来のエンジンである4ストロークエンジン(DOHC)です。
正確には「4ストローク1サイクルエンジン」が正しい名称となります。
(開発者の名前をとって「オットーサイクル」と呼ばれる事もあります。)
左のフラッシュ画像を動かしていただければ理解し易いですが、下側の円盤(クランクシャフト)が2回転(ピストンが上下に4回のストローク)すると「吸入」「圧縮」「燃焼」「排気」の1つのサイクルが終了する為その名前がつきました。
肝心な回転する原理としては自転車のペダルと同じです。
このエンジンではまず吸い込んだ燃料と空気の混合気を圧縮し、燃焼させる事によりピストンを押し下げる力を発生させてピストンを押し下げます。(ペダルを踏み込んだ時と同じ)
その時に発生したエネルギーによってクランクシャフトが回転し、車を動かします。(次の燃焼までのクランクシャフトの回転駆動も兼ねます)
このエンジンではクランクシャフト2回転に1回燃焼し、ガソリンから運動エネルギーを取り出す事が出来ます。
また上側に赤と黄色の楕円型のカムシャフトという物があり、これはクランクシャフトの1/2の回転にて回っています。しかもクランクシャフトとベルトやチェーンで繋がっていますので、位置関係が常に保たれています。
またカムシャフトは回転の中心から一部分が山のように飛び出しており、回転してその部分がバルブに掛かるとバルブを押し下げバルブを開きます。
バルブとは吸入した空気や排気に栓をする為のフタです。黄色と赤い色のラッパ型の部品がバルブになります。
ちなみにDOHCとはこのカムシャフトがエンジン上部(シリンダーヘッド上)に2つある為に呼ばれている名称です。(ツインカムとも呼びます)
※DOHCは DOUBLE OVER HEAD CAMSHAFTの略称です。
DOHCはカムシャフトが2つある為バルブの数を多くでき、バルブが多い事によって空気をより多く吸入、排気する事ができるようになる為、高性能エンジンでは良く使われる方式となっております。
また出力(アクセルでのコントロール)の調整にはスロットルバルブという空気を制限するバルブを使い、吸わせる空気の量を変えて調整しています。これがないと常にアクセル全開となってしまいとても乗れたものではありません。
また最近ではこのスロットルバルブをモーターにて動かし、吹け上がり方の特性を変えています。
※電子スロットルやフライバイワイヤーなどと言われたりもします。


では次にマルチエア エンジンについてご説明致します。
※実際のエンジンと全く同じ構造ではありません。理解し易くする為簡素化しております。また制御に関しましても実際には凄く複雑な制御になっております。
まず通常の4サイクルDOHCエンジンと比べ、なんと吸気側のカムシャフトがありません!
その代わりにバルブを押し下げる為の油圧ピストンがあります。
マルチエアエンジンでは吸気側のバルブ(インレットバルブ)をカムシャフトではなく、油圧ピストンにて駆動する事により自由なバルブ駆動を実現しています。
排気側のカムには排気バルブ(エキゾーストバルブ)とインレットバルブを駆動するのに必要な油圧を作るポンプを駆動しています。
またスロットルバルブも低速回転でも殆ど閉じておらず、吸入空気量はバルブの開く量(リフト)を少しだけにする事によって行っています。
実はこの方法にはメリットがあるのです。
それはポンピングロスという損失を減らせるのと、吸入する混合気を従来の方法より遥かに効率的に吸い込む事、更にはカムシャフトが1本しかない為回転時の抵抗が減らせる等の利点があるからです。
ポンピングロスとは混合気を圧縮したり、また吸気する時に発生するエネルギーの損失の事を言います。針を取った注射器の先を指でふさぎ、ピストンを押したり引いたりするとかなり抵抗があります。エンジンでも同様な作用があり、その時に発生する力によってエンジンのエネルギーを奪われるのがポンピングロスです。
マルチエアですと低速吸入時でもスロットルバルブが開いていますので、吸入時のポンピングロスが少なくなります。
(圧縮時にもポンピングロスは発生しています。しかし混合気を圧縮しないとガソリンは爆発的に燃焼できずエネルギーをうまく取り出せません。)
低速時にスロットルバルブが開いていてもバルブをほんの少ししか開けませんので、出力を低く抑え(出力をコントロール)、更に2回空ける事により内部の混合気をより撹拌させ燃焼し易くし、低速時の出力が向上します。
マルチエアではエンジンのコントロールにバルブ自体の空ける量、空ける時間を無段階に変えて制御しています。
これは上にある従来のカムを使ったシステムでは無理な事が分かります。
なのにスロットルバルブがあるのは、逆にエンジンブレーキとはポンピングロスを利用しておりますので、スロットルバルブを用い空気量を絞らないとエンジンブレーキが効かなかったり、回転の落ち込みが遅くなってしまう為です。
また高回転時には吸入する時間が短くなってしまいますので(回転する速度が速いからです)、バルブを大きく、なお且つ長い時間空けて混合気がたくさん入るようにします。空気にも空気抵抗や重力の力が作用しますので、吸入時間が短いと吸入し難くなります。
またその時にピストンが一番上(上死点といいます)より前から吸気のバルブが開くのは、少しでも吸気時間を長くとる為です。このように排気/吸気側のバルブが同時に開く事をオーバーラップと言います。オーバーラップが大きいと圧縮比が下がりノッキング(異常燃焼)を防ぐ事ができ排気ガスの慣性力により吸気をより促進する反面、低回転では慣性力が少なく圧縮比が下がるためアイドリングが不安定になったり排気側より未燃焼ガスが排出されるため排気ガス性能が下がります。
よくある「可変バルブタイミング」とは開くポイントを変え低速と高速での効率化を図るのですが、マルチエアではバルブを開く量、開くタイミング、開く時間を決められた範囲以内の範囲であれば無段階に制御できますので、正に意図した通りに混合気を吸入する事ができます。
※排気側が普通のカムシャフトによる駆動なのは、排気は流れる速度が元々速いので切り替えてもそれ程影響が無い為のようです。

このようにマルチエア エンジンは従来のエンジンより効率に優れ、公式によると燃費やCO2を10%程度削減、その他PMやNOxも大幅に削減し地球環境に貢献します。
ガソリンエンジンの可能性を追求したマルチエア エンジンは日本ではまずMiTo Quadrifoglio Verdeに搭載されて上陸しています。

今後順次マルチエアエンジンの車両が登場すると思われますが、是非MiToにて体感してみては如何でしょうか?


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