ようやく登場するアルファ ロメオの新型車「MiTo」。
すでに色々な雑誌などによって評価されておりますが、今回は一番MiToに接している我々ディーラー
の人間からみた視点にて再度検証してみたいと思います。
すでにご試乗いただきましたお客様もいらっしゃるかと思いますが、違う視点から見たMiToを再確認
していただければ幸いです。
MiTo(ミト)はアルファ ロメオのアイコンとも言えるあの「8C Competizione」が登場してから初めて
発表されたアルファ ロメオになります。
ゆえにベビーアルファというキャッチフレーズもございます。
しかしMiToはただデザインが変わっただけの車ではなく現在のアルファ ロメオが考えているスポーツカー
というものを表しているかのようです。
実は159から個人的に走りの質への考え方が変わったな~と感じておりましたが、MiToにおいてもやはり
走りの質、というよりむしろ絶対的な性能を上げたいという考えが伝わってきます。
どこを見るとそうなのか?と言われてしまいそうですが、例えば速い車といえば絶対的な強い加速力がありますが、
(通常私共が販売する場合そういった事を強くアピールするのが普通なのですが)MiToは単純にそれだけではないのです。
156GTAが3.2Lエンジンを搭載しジャジャ馬な走りを披露するといった次元とは全く異なる方向へ向かっているとい
うことです。
Alfa 159においてご存知の方もいらっしゃると思いますが、ボディー剛性などが飛躍的に向上しております。
いや、飛躍的というよりむしろやり過ぎなぐらい向上していると言っても過言ではありません。すでにスーパーカーと呼ばれる車達を凌いで
しまっています。
無論MiToにおいても同様にクラス最高峰のボディー剛性を誇り、なんと将来施行される予定のユーロNCAPテストの6スターを獲得できる性能
を誇っています。(5スターはすでに獲得しています)
しかもそのユーロNCAPテストの内容ですが、助手席においては全てグリーン色になっておりダメージを検出できなかったようです。
フィアットグループオートモービルズ社の最近発表される全ての車種が高得点の為、毎回見るのを密かに楽しみにしていますが、ついにこういう車が
出たのかと驚いております。
しかしそればかり気にしていると車重が重くなってしまいます。強くするということは金属が増えるとも言えます。
(ハイテン鋼の使用率が高くなると軽く強くできるのですが、強度を考えすぎて重くなってしまうようです)
そこでMiToでは軽量化に苦労した跡が見受けられます。
※今年導入されるMiToの車重は1,220kgです。
この写真はエンジンルームのボンネットの付け根付近です。よく見てみますと「スカスカ」になっているのが分かりますか?
特にワイパーのアームが透けるほどプラスチックに穴が開けられています。
この場所を良くご確認された事はありますか?
是非次回ご来店時によくご覧になってみて下さい。
(この部分へは水が入っても問題ありません。むしろどの車でもこの部分は水が流れます。単にMiToは中身が見え過ぎるだけです。)
実はこの軽量化はグランデプントやパンダ、そして500などでも見受けられます。是非次回ご来店時に観察してみて下さい。
重くなると燃費などに影響しますので、軽くするのは当然なのです。しかし軽量化の仕方がまた面白いです。
このカバーですよ!!
ボディーの強化は安全性だけではなく、実は走りに影響します。ボディーがしならなくなると足回りが良く仕事をするように
なるのです。したがってMiToにおいてもボディー剛性の高剛性化は必須なのです。
先程エンジンだけでは車は~とお話しましたが、エンジンについても良く見てみましょう。
今回発売されるMiToのエンジンは1.4L 16V Turboエンジンです。
ご存じの方も多いと思いますので簡単にご説明させていただきますが、このエンジンは500などにも搭載されている16Vエンジンが
ベースとなっております。それにターボを組み合わせて高出力を絞り出しております。(155PS 20.5kgm)
これは他のメーカーでも行われておりますが、小排気量エンジン+ターボ(過給機)の組み合わせは燃費と出力を両立させる手段とも言えます。
なんとIHI社製タービンです。
テストした結果このタービンが最も適していたとのこと。低抵抗のベアリング(軸受)を使用したタービンで2,000回転付近で最大過給圧の
殆どが出力されます。エンジンの圧縮比も9.8と高めですので、ほとんどターボラグは感じません。
しかしMiToはこれだけではありません。
左の「Alfa Romeo D.N.A.」システムによって最大トルクをアップさせる事ができます!!(20.5→23.5kgm)
(写真はダイナミックモードになっています)
モードを変えるとメーターの液晶パネルの表示が変わります。
右の写真はダイナミックモード時です。ブースト計が表示されます。
1,220kgの車重に最大エンジントルク23.5kgmの車両です。分かる方がご覧になればどういう事かお分かりですよね?
更にこのAlfa Romeo D.N.A.システムは、最大トルクだけではなくステアリングの重さやスロットル制御、ABS、横滑り安全装置(VDC)などの効き方などを総合的に変更する
こともできます。
ダイナミック(d)、ノーマル(デフォルト(n))、オールウェザー(a)の3つのモードがあり、走るステージによって車の特性を変える事によりキビキビ走りたい時には
ダイナミックモード、燃費を気にしたり滑らかな走りをしたい時にはノーマルモード、滑り易い路面では最もABSやVDCの介入が早くなるオールウェザーモードといったような
使い分けができるようになっています。
VDCについては今回スーパーカーなどでしか使われていないカウンターステアを当ててしまうという制御になり、非常に自然な挙動が自慢となっております。
(1千万以下の車両では世界初?とのこと。)
これは電動パワーステアリングを使用し、車両が横滑りした場合危ない方向へのステアリング操作は重くし、安全な方向へは軽く動くようにして簡単に言ってしまうとドリフトさせて
スピンを防止しようとするものです。
私担当は「ユーザーフレンドリーなカウンターステア」というキャッチフレーズに思わず喜んでしまいました。
実際滑り易い路面にてテストしましたが笑ってしまうほど簡単にアシストしてくれます。
まさにアルファ ロメオならではのものではないでしょうか?
その他にも色々な装備がございますが、ご紹介しますとまずサスペンションについてですがリターンスプリング付ダンパーを採用しています。
これはダンパーが伸びる方向にもスプリングを配置してコーナリング時に外側のサスペンションが伸びないようにしてロール(車両の傾き)
を抑えることにより安定したコーナリングができるようになっております。
サスペンションのスプリングを固くしても同じ効果が得られますが、それですと無意味に乗り心地が硬くなりすぎてしまいます。
そこでこのダンパーは両立する事ができるのです。(世界初?のようです)
またブレーキはブレンボ社製の4ピストンキャリパーブレーキを採用し、MiToを安心して停止させてくれます。
更にMiToにはQ2という機能もございまして、
いわゆるLSD(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)の効果を加速時などにスリップしている車輪へブレーキを掛けて作り出すものです。
これによりMiToは片側だけが滑り易い場所においても安全に加速する事ができますし、加速時にトラクションが抜け難くなります。
この機能の為にもブレーキの容量を増やしたようです。
この他にも1,2,3速がトリプルコーンとなっている6速マニュアルトランスミッション。
すでにギアの入りがとても良いとお客様に評判です。
そしてついに装備されたLEDテールランプ。
これで球切れを起こさないです!
しかし何かに似ていませんか?そうです8C Competizioneと同じデザインです!!
そして安全機能として4人分のシートベルトリマインダーが装備されました。
エアバッグも7つ装備され、万が一の時の衝撃を吸収してくれます。
オプションについても進展がありまして、なんと2DINのナビが装備できる設計となりました。
これによりメーカーオプションにて純正ナビもご用意致します。
※これは純正OPのパイオニア製楽ナビ(12セグTV)です。
もちろん純正OPですのでハンドルのオーディオコントローラーにて操作できます。
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